永遠の0

永遠の0の映画を見てきた。期待してた通り、かなり良かったと個人的には思う。今年はこれで映画は見納めだろうけど、TEDに並び恐らく一番心に残った。ジャンルは全然違うけど。

原作は今一番注目されている百田尚樹さん(実は大学の先輩らしい)の処女作で、私は確か一年半ぐらい前に読んだ。あの当時から書店では目につく所にあった気がするけど、今や300万部売れてるみたいで、正直この作品がこんなに売れるとは思わなかった。内容が戦争の話だからだ。

私は戦争ものが好きなので、原作を読んだ時も凄く感動した。百田さんはとにかく、かっこいい男を描くのが上手。私個人的には影法師や海賊と呼ばれた男の方が好きなんだけど、百田尚樹の代表作っていうとやはりこの永遠の0が一番しっくりくる。


永遠の0の内容の方だが、まず私はこの題名に凄さというかセンスを感じる。映画では最初のプロローグはやってくれなかったが、米兵が日本の特攻隊に恐れを抱くシーン。打ち落としても、打ち落としても、ゼロは突っ込んでくる。まるで死神のよう、奴ら(日本人)に精神は無いのか、米兵にとってゼロは永遠に特攻してくるんじゃないかと、その精神の異常さに恐れを抱く存在だった。映画ではこのシーンは無い、唯一の不満がそこだけ。


主人公の宮部は凄腕の海兵でありながら、何より命を大事にするその時代では特異な存在だった。国の為に命を捧げる、実際は大事な人がいる国を守る為に命をかけて戦う、それが戦時中の日本人というものだった。宮部はそれ以上に大事な人の為に生きて帰るという強い気持ちを持っていた。

そんな宮部も最後は特攻で死んでしまう。宮部に実際に関わった人達から紡がれる当時の話が主な内容で、最後はちょとしたどんでん返しがあるのだけどそれはおまけみたいなもんで、基本は戦争、特攻隊に関わった人間の葛藤ややるせなさがメインの話。

宮部は結局最後なぜ特攻隊に志願したのか、それは結局の所明かされない。大石に家族を託す事で最後は清々しい顔で特攻したが、それは偶然機械トラブルがあったから。家族を残して先に死んでしまう事を受け入れるまでにどんな葛藤があったのか。

私個人的にはやはり国の為とかではなく、死んでいった仲間に報いる為だったんじゃないかと思う。生きて帰るとずっと自分に言い聞かせて来たが、仲間はどんどん特攻にかけられ、しかも、敵艦隊にたどり着けず死んでいく。毎日のようにそれを見る事、自分だけ生きようとする事に耐えられなかったんだと思う。



特攻隊とテロの違いを口論する場面も印象的だった。恐らく、百田尚樹さんが一番伝えたいのはここだ。特攻隊は今でも狂信的だとか、愛国心の為に喜んで行われたと思われがちだ。私ももっと若い頃はそう思っていた。しかし、彼らは大事な人を守る為、おかしくなりそうな心を押さえて死んでいった。宮部みたいな人は実際多かったのだろう。誰も国や天皇の為に命を捨てたわけではない。


実際はわからない。特攻隊に選ばれた人達の気持ちなんて想像しようとしてもできない。ただ怒りと悲しみが込み上げてくるだけだ。でも、彼らにも死を恐れる気持ちはあっただろう、人間なんだから。


映画館には年配の方も多くいた。あまりこのような光景は見たことがないし、少し驚いた。しかし、老若男女いる映画館の一室が何か私の心を温かくした。

まだ日本が戦争を終えてから60年しか経っていない。これは現代人からすれば信じられない事実だ。今の日本は平和が当たり前だし、戦争なんてイメージしようがない。

しかし、戦争や特攻隊は紛れもない事実。よく現代人ができる事として、伝えていく事が言われる。もちろん、これらの事実は後世に必ず伝えて往かなければならない。

それに加えて、国民が宮部のようにしっかり自分を持って生きていかなくてはいけない。北朝鮮や中国を見てても、いつ戦争が起きてもおかしくないのである。もし、そのような危険な時代が来そうになり、その時の権力者が戦おうとした時、国民がいかに国やマスコミに騙されずNOと言えるか。国民の多数がそうなれるか、私は意外に怪しいと思っている。政治に興味無いとか、関係無いって思ってる人はそういう時自分の意見で行動できるんだろうか。