派遣 フリーター ニート

どうやら自民党により派遣法が改正されそうだ。現状、同じ職場でとある作業を派遣業者が請け負う最長期間は三年だが、それが派遣労働者を変えれば無期限にできるようになる。


一企業に正社員として勤める私の立場からすれば、これはもちろんありがたい事である。極論、正社員やパート社員じゃなきゃできない仕事以外は全部派遣労働者に任せる事ができる。そもそも、今の部署では派遣労働者を使う事はほぼないけれど、社員にしかできない仕事って実はほとんどない。派遣にした方が人件費がかからないなら、企業としては利用するのは当たり前だ。


ついでに、私が入社すぐに配属された部署では派遣労働者が多く働いていた。今思えば懐かしいし、今回改めて勉強になった。

その部署は物がどれだけ売れるかによって作業量が日常的に変わる部署だった。店舗もそうだけど、店舗は売れなくてもなんやかんややる事はあったが、その部署はやる事が当時限られていたため、パート社員として自社で雇うのではなく、毎日の必要人数を派遣企業から依頼していた。

それにより、無駄な人員を使う必要が無く、人件費はかなり押さえられていたと思う。依頼する人数の精度もあるけど、非常に効率よく人が働いていた。


そんなある日、派遣ではなく自社社員への作業転換命令が下ったのだが、今思えば三年の契約期間が切れる所だったのである。契約が切れる際は非常にシビアな話になる。今まで派遣で働いていた人はうちのパート社員となるか、派遣として他の職場への移動をするかの選択を迫られた。

派遣なら来たいときに出勤し、欲しい額だけ稼げる。ただし、いつ仕事がなくなってもおかしくないし、安定は無い。

パート社員になれば契約した日数は必ず出勤しなければいけない。また、その会社のルールに属さなければならない。ただし、契約期間中は基本企業から切られる事はないし、派遣にくらべ安定はしている。

私が経験した職場では七割程がパート社員として契約をした。わが社の制服を来て嬉しそうにしてる人もいれば、派遣体質が抜けず、週五日働けない人もいた。そして、やはり効率は落ちた。空いた人員にさせる仕事も捻出しなければならなかった。少数精鋭でガツガツやってきた私は始め戸惑ったものだった。


さて昔話は置いといて、日本全体としてこの法改正を考えると、必ずしも良い事ばかりではない。むしろ、私は反対だ。

日本の非正規雇用者は今や全体の4割になっている。 それを確実に助長するからである。別に非正規雇用者が悪いわけではない。女性はやはり様々な面でそうなってしまうし、働き方の多様性は認められるべきだと思う。しかし、日本の大きな特徴は非正規雇用者の賃金が正規雇用者にくらべ大きく落ちる所だ。先進国の中ではこの格差は注目される。


また、非正規雇用から正規雇用への昇格も難しい。正規雇用で働く気が無い人まで意識を向ける必要は無いが、これは正社員がいいように非正規雇用者を使える環境をより強く作っていく事に他ならない。

派遣やパート社員は正社員に比べ、時間にゆとりがある。その時間を使ってやりたい事の為に努力している、そんな人はかっこいいし、サラリーマンなんてやらなくてもいい。ただし、実際、主婦や学生以外でパート社員やフリーターとなっている人を何人も見てきたが、ただ苦しそうである。賃金も安い為、何個も掛け持ちしていたり、実家で肩身の狭い思いをしながら暮らしている。


一番良くないのは、非正規雇用が普通なんだと いうメンタルを作ってしまう事。目的意識の無いフリーターをさらに増やしてしまう事は日本にとっていい事ではない。ニートも増えるだろう。

報酬制の業種なら良いんだけど。この改正により笑うのは安く労働力を確保できる大企業とオリンピック等で労働力が足りない国。派遣労働者はますます苦しくなり、格差は広がるばかりだ。