仮想通貨vsリアル通貨

アベノミクスで一気に景気回復の気運が高まった昨年に比べ、今年は世界情勢的にマイナスなニュースが続いている。

米雇用統計の下振れに始まり、アルゼンチンを始めとした新興国ショック、中国の経済成長率の鈍化、そして最近のウクライナ情勢。オリンピックが終わったばかりなのに、一体ロシアは何を考えているのか。

そんな中、先日、世界を驚かす事件が日本で起きた。ビットコインの世界最大の取引所であるマウントゴックスの倒産である。


ビットコインとは世界中の人々がネット上で売買している仮想通貨の事。日本人が作ったとされるが、現状は日本ではほぼ普及していない。マウントゴックスでの取引も日本人が利用する割合は1%程。しかし、中国を始めとした新興国を中心に利用者は増え、世界では今や社会問題となりつつある。


ビットコインは世界の在り方を大きく変えるかもしれない、それぐらい色々な可能性を秘めたものだ。何よりの利点は、全世界共通で利用する事ができるという事。一部の国ではすでにビットコインの利用を認めている。その国の通貨を持ってなくてもビットコインを持っていれば買い物等ができる。

さらにビットコインは実態が無いため、硬貨や紙幣のように持ち歩かなくて良い。パスワード等を誰にも知られなければ盗まれる心配も無い。

もし、日本や主要国でこのビットコインが流通し出したら、国の通貨発行権は何の力も持たなくなる。銀行もいらなくなるし、金融政策も意味をなさなくなる。国の力が弱まり、個人個人の時代が訪れる。

中国やインドはその流れを恐れ、国としてビットコインを認めない見解を示している。しかし、個人の売買に関しては規制できないし、自己責任ということだ。日本ではまだほぼ普及していないこともあり、認める認めないの公の見解等は出していない。


そんな中起きた今回の事件。日本人はほぼ関係無いが、発生したのは日本であり、今後の対応が注目される。原因はシステムの弱い所をやられ、ビットコインが全て何者かに盗まれたということ。言うなら、銀行に預けてた金が何者かによって盗まれて無くなったので返せませんという事だ。

まぁ、実際かなり怪しい事件ではあるし、日本政府は徹底的に調査し、原因を究明しなければならない。マウントゴックスの代表も正直かなり胡散臭い。

ただ、この事件の真相はどうであれ、これはビットコイン自体の脆さと言うより、マウントゴックスのシステムの脆さの問題。要するに、預けていた銀行のシステムの問題であっても日本の通貨自体に何の問題もない事と同じなのである。


マスコミが今回初めてビットコインに関して大々的に報じている。マスコミ的にはやはりビットコインは危ないという報道をしているのだけど、良くも悪くも日本で初めてビットコインがネットの世界だけでなく、表世界にでてきた。

日本政府もいずれ、ビットコインに対して、恐らく否定的な見解を示すだろう。国家の大事な権力を脅かすビットコインを認めるわけがない。しかし、今回の事件がきっかけとなり、ビットコインに興味を持つ日本人は今後増えていくのではないかと思う。

この通貨戦争は今後じわじわと世界を巻き込んでいくものとなるだろう。仮想通貨が主流になる為には、ネット上での売買に留まらず、とにかく現実社会で実用できるケースを増やしていく事、すなわち企業との連携が大事になっていく。

世界の色々な企業がビットコインの利用できる環境を整えてくれば、日本も動かざるを得ない。

この数年はまさに世界情勢は過渡期に入る。何が安全な資産かなんてわからない。どちらにせよ、注意深く見守りたい。