マー君とハンカチ王子

またまた野球ネタ。ヤンキース田中将大がついに怪我から復活。見事な投球で軽々13勝目をあげた。怪我で2ヶ月程戦線離脱したにも関わらず、13勝するなんて果たして誰が予想しただろうか。今年はダルビッシュも序盤から快投を続け、岩隈もここまでキャリアハイの成績、黒田も五年連続二桁勝利を達成、上原も健在と日本の投手力の素晴らしさをメジャーにまざまざと見せる誇らしい一年となっている。マー君とダルビッシュの怪我が無ければほんとにどこまでの成績をあげたのか、それだけが残念である。


そんな怪物マー君と高校時代ライバルとされ、当時は勝負にも試合にも勝ったヒーローが斎藤佑樹である。高校野球ファンだけじゃなく、日本中の注目を集めた甲子園の決勝。再試合の末、勝利した斎藤佑樹は汗をハンカチで拭う姿や甘いマスクからハンカチ王子と呼ばれ、大学卒業、プロに入った後もフィーバーが続いた。高校時代からマー君はとんでもないボールを投げていたが、斎藤佑樹のコントロール、投球術も一級品であり、どこの球団に行くのか、彼らの一つ上の私もワクワクしたものだった。


結果的に斎藤佑樹早稲田大学に進学、大学でもトップクラスの成績をあげ無事日本ハムに入団する。一方の田中将大は高卒で楽天に入団、ノムサンのもと英才教育を受け、斎藤佑樹が入団する時には立派な日本を代表するエースになっていた。斎藤佑樹がプロに入った以降、さらに2人の境遇に差が出る。田中将大は昨年、24勝無敗、チームも日本一を達成するというプロ野球史に残る金字塔を打ち立てる。そして、今年はアメリカンドリームとも言えるような大型契約でヤンキースに入団、怪我もあったにも関わらず上記のような素晴らしい成績をあげる。アイドルの里田まいと結婚し、里田まいも芸能人時代はお馬鹿キャラだったが、今や栄養を考えたレシピが人気になりあげまん女房として世間から認知されている。


一方斎藤佑樹はプロ入団初年度こそ、6勝6敗防御率2点台中盤とルーキーとしてはなかなかの成績をあげたものの、その後は負けがこみ、昨年、今年と殆ど一軍で実績をあげれていない。二軍でも打ち込まれる試合が多く、このまま行けばクビになってしまうだろう。世間は彼のようなエリートが落ちぶれるのが嬉しいのか、ビッグマウスぶりを酷評し、ネットではカイエン青山と呼ばれ、ついには下記のようなゲームアプリにまでなってしまう。


http://saisyu-vipper.doorblog.jp/archives/39264421.html


よくわからないが、これは流石に名誉毀損になるんじゃないか笑。もちろん、本人の同意はないだろうし。


さて、長くなったがここからが本題である。高卒と大卒どちらがいいのかと言うことである。私が言いたいのはプロ野球に限った事でなく、世間一般も含めての事である。私の結論としては、色々メリット、デメリットあると思うが、今の日本の大学の怠慢が続くのであれば、同じ企業(球団)に就職するという前提のもとでは、高卒から就職したほうが出世は早いと考える。


四年、その時間はあまりにも大きい。一つの企業、部署に四年働き続けていれば、もはや一人前になろうとしてるぐらいの戦力と言える。私も入社して四年半になるが、すでに4部署を経験、自分で考えてある程度好きにやらせてもらえる反面、売上を始めとした数字が評価に直結する立場でもある。四年というのはそのような経験ができる時間なのだ。


対して、大学で経験できる四年というのは、とかく学生の自主性に任せたただの自由時間だ。しかも、異常に高額な授業料を払わなければならない。もちろん、その有り余る時間を四年間有効利用できる学生もいるが、多くの学生、特に元々何の目的もなく、さして勉強もせず入った学生は何をしていいか分からず、気づいたら四年過ぎ去ってしまう。その上、就活で学歴が活かせるのはほんの一握りの有名大学のみ。関東なら青学ぐらいまで(多分)、関西なら同志社立命ぐらいまでが学歴でとりあえずどの企業でも集団面接までいけるレベルだろう。それ以下の大学はせっかく高い授業料を払っても、就活にもさして活きないブランドしか得ることができない。専門学校なら実務的なスキルが付くが、大学では全く実務的なスキルは身につかない。理系ならまだしも、文系は会社で働きながら独学できるような内容の薄い講義ばかりだ。


終わって見れば、大学生活は必要だったと振り返る人が大半だと思う。私もそう思う。色々な人と出会えたし、楽しかったし、あの四年間で何となく見聞が広がった気がするからだ。しかし、具体的に何を学んだかというとでてこない。それに、四年は長い、一年に集約できるような経験だったと思う。もし、その四年間、今の会社で働いていたらもっと充実した経験ができた気もする。


もちろん、日本はほぼ大学全入時代、企業も大卒から採用するのが常識の為、高卒では就職できる企業がかなり限られるし、専門的な仕事に特化している為、大卒の新人よりも、高卒の一般職の方が立場が弱い。しかし、もし、高卒の社員を大卒の社員と同じような教育を与えれば、実際問題、大卒で四年間働いた人ぐらいのスキルは22歳で身につける事ができるだろう。専門的な知識も大学よりも現場で仕事しながら勉強した方が確実につくだろうし。例えば、銀行員が金融の勉強をするにしても、大学の授業でやるより、現場で上司から学んだり、経験する方がはるかに早く吸収できるだろう。


だからと言って、誰もが高卒で働くことを推奨するつもりはない。採用する側からしても、高卒段階で誰を採用するかなんて判断材料が少なすぎるし、そこで人生決まるなんて早すぎる。ただ大学教育がもっとまともに機能してほしいだけだ。機能しないんであれば、四年もいらないだろうし、授業料が高額すぎる。

斎藤佑樹は決して大学時代野球をサボってきたわけじゃないだろうが、百戦錬磨のプロ野球の指導者とアマチュア野球の指導者じゃやはり教育の質は雲泥の差だったろう。それに、いくら野球に専念してたとしても、多少は講義にも参加しなきゃならない。その時間はほぼ無駄になり、その小さな差が四年で大きな差となってしまった。プロ野球に関しては、よりいっそう、プロの四年と大学の四年の違いは大きいのだと思う。高校で芽が出なければ、大学で芽が出るかもしれないが、確率としてはやはりプロに入れるチャンスがあるならなるべく早くプロに入ったほうが成功する可能性が高いんじゃないか。一概には言えないが。それに、プロで成功できなかった時の保険として、大学に入るならやめたほうがいいだろう。自分が採用する立場なら、大学四年間野球部で成績をあげましたって人間よりやはり元プロ野球選手のほうが何かと魅力的だ。仕事なんて要は本人の気持ちと教育次第だし。


斎藤佑樹を批判したり、笑う人に言いたい。お前らも高卒で働く勇気なんてなかっただろう??大学でも大した勉強してないだろう??と。ビッグマウスは確かに痛々しくもあるが、弱気になってしまうのもそれはそれで批判されるんだろうし頑張ってほしい。マー君は遠い世界に行ってしまったが、人生なんてそんなもの。何かのきっかけで一気に飛躍することもあれば、どん底に落ちる事もある。本当の意味で人生をかけて戦った事のない人間の批判は気にせず、クビになる瞬間まで希望を信じて頑張ってほしい。