原発再稼働で決まった日本の未来

ついに先日川内原発が再稼働された。規制委員会はテストでは問題無いが100%安全とは言えない、政府は安全面に関しては規制委員会にしか判断できない、と責任の所在を曖昧にしたままのいかにも日本らしい意志決定である。


ここに至る経緯もいかにも日本の政治を象徴するような流れだった。日本国民は相も変わらず他人事で関心を持たず、まるで東北の大震災は無かったかのような雰囲気である。私はあの当時埼玉に住んでおり、震度6の恐怖を味わった。そして、その後転勤で西日本に来たのだが、特に西日本の人達は震災や原発というキーワードに関して他人事感が強い。そのくせ、震度4程度の地震が起きるぐらいで慌てふためく。


私は原発の再稼働に関して、賛成か反対かと言われると反対である。これはある程度はっきりしている。理由は色々ある。一番大きいのは原発に頼ることで再生エネルギーの分野で今まで以上に他の先進国に遅れをとってしまうことだ。中島聡さんのメルマガで私はアメリカのニュースを見ているのだが、アメリカやドイツ等はもはや原子力にはほとんど頼らないエネルギー政策を実現しており、なおも物凄いスピードで再生エネルギーの分野で技術革新が進んでいる。


世界が脱原発のトレンドに確実に進んでいくにも関わらず、日本がこのタイミングで原発の再稼働をしてしまうのは時代に逆行していると言わざる得ない。別に原発を稼働しながらも、他のエネルギー政策を政治家が身を切る覚悟でするならいいのだが、まずそうはならない。日本的な政治力によれば、原発の再稼働により再生エネルギー政策はもはや無かったことになり、あの大震災が起きる前の日本に戻ることになるのはほぼ間違いないだろう。だから、このタイミングで原発を0にと小泉元首相は主張していたのだ。私もこの保守的で利権だらけの日本の原子力分野を改革するなら、かなり思い切ったことをしない限り無理だと思う。原発0ぐらいの目標が無いと、日本では再生エネルギー政策は成長しない。


次に、そもそも国内産業がどうなろうと自分の人生にさして影響がないことがある。私はアベノミクスを基本支持しているのだが、1つ許せない事がある。それは日本の堕ちた輸出企業、メーカーだけを助けるような政策である。何故人件費も材料費も馬鹿高い国内で生産して、馬鹿高い商品を売りつけるメーカーを助ける必要があるのか。このグローバルな時代、正直海外で生産しようが国内で生産しようが品質はほとんど変わらない。だったら安い方がいいに決まってる。近年成長を続けている企業はアジアから今はアフリカまで行きたゆまぬ企業努力で一円でも安く良いものをという意識で戦っている。そんな企業にとって、日本のエネルギー費が高くなることなんて別に何の問題もないのである。むしろ、私はエネルギー費の高騰によって、努力してこなかった伝統だけが売りの企業が淘汰されればいいと思う。


要するに、原発の再稼働というのは、結局日本の悪しき伝統を守ることにしかならないと思うのである。大震災が起き、世界中が今後日本がどのようなエネルギー政策の国として生まれ変わるのか期待していたはずである。なのに、結局原発かい!とずっこけたはずである。結局、日本という国はこんな生まれ変わるチャンスに恵まれても、変化ではなく現実維持、攻めではなく守り、なんだなと。面白くないなと私みたいな若造は思うのである。それなら、原発0を本気で目指すから電気代二倍になりますって言ってくれた方が私は日本という国を好きになっただろう。


とはいえ、確かに現実問題、私が安倍さんでも原発は再稼働したろうと思う。使用済み核燃料の問題もあるし、経常収支もやはり赤字のままにするわけにはいかない。自分が任期の間にまさかもう一度事故が起こるなんて思わないし、短期的な目で見れば再稼働はせざる得ない。ただ、私が安倍さんだったらもっと再生エネルギーの分野に力も入れてという形を取るし、原発0を目指しての再稼働にすると思う。


原発の再稼働により、日本の今後はある程度決まった。やはり大きなデメリットは、世界の先進国に比べ再生エネルギーの技術革新のスピード感が一気に遅くなってしまったこと。現時点でも大きく遅れを取っているのにも関わらず、その差は今後どんどん広がっていく。もし、また事故が置き本当に原発はもうダメだという事態になってしまったら、日本はアメリカやヨーロッパの再生エネルギー分野の企業達に良いようにやられてしまうだろう。要するに外資に食い物にされ、中途半端に開発を進めていた日本の企業は片っ端から淘汰されていく。他の分野とは違い、この分野はどれだけ国が力を入れているかが非常に重要なのだと思う。


そして、日本の所謂伝統企業と言われる企業達の国際競争力も今後ますます衰えていくだろう。こちらは逆に国が介入するべきではない分野である。無理に円安にしたり、補助金で助けようとする事により、そういった企業は何故自分達が海外の企業達に勝てないのか、本質を見失ってしまう。為替で黒字になったり、赤字になったりとかそもそも企業として全く健全ではない。というか、政治の力なんてどうでもいいと思ってる企業はそんなアンタッチャブルな為替の値動きに左右されぬよう為替予約というものを行っている。伝統企業を守るだけならいいが、ベンチャー企業や成長企業がどんどん日本から離れていくような状態は全く歓迎できない。しかし、原発の再稼働によりその保守的な流れはより強固になるだろう。


簡単に言えば、あの大震災が無かったことになるだけだ。しかし、最近の安倍さんはいくらなんでも強引すぎる。いくらアホな日本国民でもいい加減、馬鹿にされてる事に気づき、力業では動かせなくなるのではないかと思う。いや、そうでもないか。政治に無関心な日本国民は、自分達が戦争に駆り出されるか、日本がギリシャのような財政破綻を起こしてその時になって国にあーだこーだ泣きつくんだろうな。戦争はともかく、財政破綻はいつ起きてもおかしくないと思うけどなー。


とにかく、原発は再稼働されてしまった。あの小泉さんでも止めれなかったこの流れはもう誰にも止められないだろう。