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智弁学園は春夏連覇できるのか

今年も早くも7月となり、折り返し地点を迎えている。ちょうど一年前、私はまだ愛媛県にいたのだから一年は短いようで長い気もする。今年は激動の昨年に比べ、非常に平穏な日々である。良くも悪くも。


日記を書く習慣を失っていたのだが、実は今年の春、私にとって非常に嬉しい出来事が起きていた。選抜甲子園で奈良の智弁学園が全国制覇したのである。

私は毎年、その時どこに住んでいようが甲子園に見に行く程の高校野球好きである。転勤族で20代にしてすでに4つの地域へ転勤している私であるが、出身は奈良県。大学は京都の大学に行ったが、社会に出るまでは奈良と共に歩んだ人生であった。だから、高校野球でも一番に応援しているのは常に奈良代表だった。

智弁学園の選抜の試合も全部録画して見ていたが、今でも優勝したことが信じられない。奈良代表は近畿でどれだけ強くても、プロ注目の選手が複数いても、智弁も天理も勝負弱くせいぜいベスト8が限界、私の生きてる間に優勝することなんてあるのだろうかと思っていた。

それが、今年の智弁学園は神懸かり的な勝負強さであれよあれよと言う間に優勝。三回戦以降は試合内容は別として何か負ける気がしなかった。


この数ヶ月は智弁学園ナインも私も物心ついてから初めて迎えるチャンピオンとしての夏までの期間であった。


さて、長らく奈良の高校野球を応援してきた者として、今年の智弁学園の強さの程と、夏の展望を無責任に書いてみる。


今年の智弁学園は春優勝したが、大会前は私はエースの村上のワンマンチームだと思っていた。村上は私の知っている時代の智弁学園のエースとしては、
青山(現オリックス)以上秦(元横浜)以下、で歴代二番目の好投手という位置付けで期待していた。打線は点を取れないけど、村上はそうそう打たれないはず、しかし守りも微妙なので組み合わせに恵まれてベスト8ぐらいかなと予想していた。

蓋を開けてみれば、村上は想像以上の活躍。私の予想していたよりも思ったよりストレートの球速はでなかったが、コントロールが素晴らしく、なんと大会を通して失点3(自責点2)の快投だった。

そして、打撃陣、特に前評判の低かった三年生がよく振れていた。個人的に五番高橋、7番大橋、9番青木が大会通して好調で効率よく点を取った。

組み合わせに恵まれたという見方もあるが、私はそうは思わない。特に初戦の福井工大福井、二回戦の鹿児島実業は共に非常に強いチームだったと思う。私はこの2チームは夏はもっと上に来るんじゃないかと予想している。逆に評判の高かった、秀学館、木更津総合が村上を打てたかというとそうも思わない。春のチーム力、勢いとしては智弁学園は確かにチャンピオンたるレベルにあった。


そして、春夏連覇のかかる夏はどうか。春の近畿大会で智弁学園は決勝で大阪の履正社に完敗した。村上もコツコツ点を取られ、打線は全国最上位レベルの左腕2人を捉えられなかった。履正社はこの夏、優勝候補の筆頭と見てもいいだろう。


智弁学園は現状、村上の調子次第ではあるが、夏は全国でベスト4~8ぐらいの力のチームかなと思う。やはり課題は打線。全国最上位レベルの投手と相対した時、二年生の太田や福元以外は力負けしてしまいそうだ。勝ち進むには村上の春のような快投が条件となるが、夏に向けてはもう少しストレートの球速がほしい。春はコントロール重視で投げていた印象だが、夏は相手打者の降りも鋭くなる。全力で投げて相手打者をストレートで圧倒してほしい。


奈良予選も無風ではない。ライバルの天理には村上に負けず劣らずの好投手森浦がいる。森浦は左腕だが、村上に負けない程の威力のあるストレートを投げ、コントロールも悪くない。総合力では圧倒的に智弁学園だが、森浦の好投で天理が勝つ可能性は十分ある。私は一年の頃から中心として投げていた村上、森浦、両方を甲子園で見たかった。しかし、夏の代表は勿論1チームだけだ。

正直、奈良で智弁を倒す可能性があるとすれば、天理だけだと思う。ただし、天理は他のチームに負ける可能性も十分ある。秋は平城に負けたし、春は奈良大付属と延長まで行っている。他にも斑鳩や関西中央は天理と良い勝負する力はある。


智弁と天理は決勝まで当たらない組み合わせ。天理がもし打撃に大きな成長を見せ、決勝まであまり苦労せず勝ち上がって来れるなら、決勝は球史に残る熱戦が期待できる。どちらが勝っても、全国でも良いところまで行けるだろう。


数年前の、天理の中谷対智弁学園の青山(対決は実現せず)一昨年の大和広陵の立田(現日ハム)対智弁学園の岡本(現巨人)、一年生の頃から中心選手としてライバル視されていた選手が最高学年になる夏程期待できる大会は無い。今年は天理の森浦対智弁学園の村上、しかも智弁学園は春の全国チャンピオン、できれば佐藤薬品スタジアムに見に行きたい程の熱い大会がついに始まる。


どっちも勝ってほしいと思いながら見れるのが高校野球、特に地方予選の醍醐味。楽しみな季節となった。