結婚ってめんどくさい

私はもう20代の終盤を迎えている。が、ここ2、3年あらゆる欲という欲が無くなり、人に迷惑さえかけなければ人生別にどうなってもいいかなという怠惰な気持ちで過ごしてきた。


仕事も働いている時は頑張ってはいるが、終わったら別にそこまで考えることもないし、出世欲も無くなった。正直自分1人で生きていくなら今の仕事で金は充分すぎるぐらい貰えている。このままでも何の不満もない、けど面白くもない。大人になるというのはこういうことなのか。


そんな心境の中一年前ぐらいから交際している女性がいて、私はその人の事を心から好きである。そして、現実問題としていよいよ結婚という二文字が私にものしかかって来た。


私は元来1人が好きだし、女性も好きだが恋に心奪われてモンモンとするようなタイプの人間ではなかった。お互いが会いたいときに会い、礼儀を持って付き合う、そのつかず離れずの距離感が良かった。それに満足できない人は自然と別れる形となったが、失恋に絶望するような事も無くドライな人間だと自分でも思う。


しかし、今交際している彼女は何か今までとは違う感じがする。言葉で表すのは非常に難しいのだけど、このまま死ぬまで一緒にいれる姿が想像できるし、その人の為に自分は頑張りたいと思えるようになった。今まで交際してきた女性は、自分で自分の人生を切り開いていくタイプの人が多かったが、今の彼女は謙虚で人の為に自分を犠牲にするタイプの人だからそう思うのかもしれない。


だから、恐らく、今の彼女と私は結婚をする。


しかし、しかし、いざ結婚のことを考えると本当にめんどくさい。一緒にいたいから一緒にいる、そのためにやらなければならないことがとても高いハードルに感じる。


まず、同棲。私は自分の事などどうでもいいと思っているため、部屋も凝ってないし、食事も適当だし、そして、何故かはわからないが、異常に睡眠時間を取らないとやっていけない体質である。正直、自分みたいな男と一緒に生活するのはかなりつまらない。テレビもあまり見ないし、趣味もあまりない。私は相手がどんなライフスタイルだと気にしないが、相手が私みたいに思ってくれるかはわからない。


てか、そもそも、1人がやはり好きだ。彼女の事は大好きだけど、デート後に家に帰ってくると異様にほっとする。一緒にいた時間は楽しかったのに、今日も無事1日終わって安堵するのだ。同棲の場合、私はそのような感情をいつ感じるのだろう。四六時中スイッチオンでいるのはきついし、スイッチオフの自分はあまりにも堕落している。実際に結婚している人はどんな気持ちで生活しているのか知りたい。



両親へのご挨拶。というより、自分の両親への紹介の方がしんどい。相手の両親への挨拶は別にしんどくはない。基本的に私は相手のテリトリーに入っていくのは好きだが、自分のテリトリーに入ってこられたときに窮屈さを感じる。相手の両親には彼女と同じぐらいの愛情を注げる。しかし、自分の両親に相手を紹介する際、両親がどのような反応をするのか、彼女はどう思うか、正直良い想像はできない。


自分でいうのも何だが、私の家族は繋がりが非常に薄い。子供の頃も一刻も早く家を出たかったし、弟が1人いるのだが彼も私以上に早く家を出て遠方の地にいるのでこの数年間家族と会っていない。会わない時間が大きくなればなるほど会い辛くなり、めんどくさいからいいやとこれまで蓋をしてきた。勿論、感謝の気持ちはあるから母の日や父の日にはちゃんとプレゼントも贈っている。ただ、感謝はしているし、好きだけど、相性がとても悪いのだと思う。十代に自分も弟も家を離れて数年に一回しか帰らない生活になったため、勿論彼女等紹介したこともない。そんな際に何を話していいかわからないのである。


結婚式。私は性格が暗い割に意外と友達が多いと実感するのが毎年のように来る結婚式の誘いを受ける時である。友達は社交的な人が多く、皆素晴らしい結婚式を毎度見せてくれる。涙あり、笑いあり、サプライズありの非常に凝ったもので、こんなの作るの一年じゃ足りないんじゃないかと思うぐらいだ。どこぞの芸能人の結婚式かよとつっこみたくなる。
しかし、私は人の幸せを祝うのは得意でも、自分の幸せを他人に祝ってもらうのは大の苦手である。誕生日も祝ってもらうのが申し訳ないし、どんな反応していいかわからないからあまり人に教えない主義だし、結婚式なんて本当にどうしていいかわからない。自分が主役ってのが、謙遜じゃなく、普通に嫌なのである。


できることならば、結婚式をやりたくない。やるにしても身内だけでひっそりと。最近はそういう人も多いようで、これに関してはゆとり世代万歳と思う。


他にも、結婚したからと周りからとやかく言われるのも何か嫌だし、つくづく自分は結婚に向いていない性格だと感じる。昔、阿部寛の『結婚できない男』というドラマがあったが、まさにあのドラマのような、本当は私はあんな人間だ。外では器用に振る舞っていても。


でも、結婚するなら今の彼女しかいないと思う。諸々のハードルは非常に高いが、これらを乗り越えて本当に真人間になるということなのだろう。自分も歳取ったな。